【駅の想い出】
★二人の足音が跳ね返るアーケード街。手相屋のか細い蝋燭の明かりがポツリポツリと燈っている。アーケードを抜けると何やら奇妙な音が聞こえてくる。フェニックスに集まるムク鳥の鳴き声で、駅前ロータリーは真夜中でもとても賑やかだった。奴と二人だけのサークル活動を終えて下宿に帰るのはいつも真夜中だった。ヘトヘトになって、そしていつも喧嘩した。それでも奴と離れなかったのは、そのサークルを大学公認にしたかったからだ。毎日毎晩、大分駅まで続くそのトンネルをくぐり、そして喧嘩した。
卒業式の終わった3月、就職で実家に帰る俺を大分駅で奴が見送ってくれた。あんなに喧嘩したのに、列車のガラス越しに遠ざかる奴は泣いていた。
広島県 ?才代 副会長 様より 05.10.09掲載 |